実は昨年の11月で開店10周年を迎えていたんですが結局何もやらなかったし、本当に無気力だと思われているかも知れないなあと思う今日この頃ではありますが最近思った事などについて書いてみます。
そもそも私がギターリペア業を始めた理由は「とりあえずの生活の安定」だった事は間違いないです。
この業界には「リペアマンになる事/リペアマンである事」自体が目標という方が多いようですが、私自身の本来の目標は「自分で設計したオリジナルギターを制作/販売して生活したい」というものでした。
ただ開業当初はまったく無名ですし資金もないしいきなりの作家宣言は無謀というのは誰しも思うところだし私自身もそう思いました。
また、「ギターを作れる」という事と「作家を名乗って良い」という事は別問題であり、まだまだ自分は経験値が足りないと思っていたところもあります。
そんな訳で最初はリペア業をやっていようと、そのうち資金も出来て制作に打ち込めるだろうと、甘い考えを持っていたのですが…。
気付けばもう50を過ぎた親爺となってしまい肝心の経済状況は一向に向上せず今日を迎えてしまった訳です。
いいかげん何とかしなければ、という事でそろそろと始めようと思ったのが数年前、ところが修理に追われてなかなか制作は進みません。
また生来のこだわりグセのため、気になる部分があるとストップしてしまうためなかなか完成しません。
そんな中、以前に制作したもののお蔵入りになっていたギターを引っ張りだしてみたところ、当時('91年)の気分も蘇り新鮮な創作意欲が湧いてきたのでした。
パーツが全て外されてドンガラ状態になっていたそのギターをとりあえず復活させてみようと思い、新作の試作と平行して作業しました。
試作の方はああでもないこうでもないとつぎはぎを繰り返しているしパーツもオリジナルを使用したいので完成はまだ遠いですが、先に'91年製が完成しましたのでこれを販売したいと思います。
販売する理由は勿論??新作の開発費用の足しという事もありますが、果たしてどのくらいの人が当方のオリジナルギターに興味を持ってくれるかをまず知りたいという部分もあります。
以下、その'91年制作のギターについて販売ページに書いてある項目以外の詳細を書いてみたいと思います。

まずネックですがトラスロッドはオリジナルのカーボン+ステンレス製の物が入っていましてジョイントはLP Jrのようないわゆるボックスジョイントになっています。(接着面積が一番大きいのがこのジョイント方式です)

ボディは弦が裏通しとなっていまして個人的にはこのテレやストラトのような方式が一番好きです。
弦がボディ表側に通って出て来る場所の部品はブラスを削りだして手作業で作りましたが、このパーツが意外に音響的には効いていまして鳴りの成分の中に良い意味の金属的な響きを加えています。
ピックアップをはじめ電装部品とブリッジは制作当時とは仕様を替えまして大幅にグレードアップしました。

フレットは勿論全然消耗はなかったのですが念のため再度精密に擦り合わせしてあります。
全体のフィニッシュは以前はアンバーというよりは黄色に近い透明色でしたが気分一新サンバーストにしてみました。
このデザインでバーストだったらどうか?というのを自分でも見てみたかったというのもあります。
またコントロールキャビティは敢えて浅く掘ってそこにロングシャフトのポットが付いているという妙な事をしていた(勿論これも実験です)のですが、ここは掘り直して普通に改めました。
当時は(というか今も、ですが)誰も気付かない部分で何か実験的な事をやるのに凝っていまして、そういう実験の中から得た経験がリペアマンとしての底力の一部になっているのでは?という気持もあります。
当時は(というか今も、ですが)誰も気付かない部分で何か実験的な事をやるのに凝っていまして、そういう実験の中から得た経験がリペアマンとしての底力の一部になっているのでは?という気持もあります。
ヘッドに唯一飾りらしいインレイが入っていますが、このモデルの名前であるSword(剣)のイメージを貝で入れてみた訳です。
'70年代に活躍したイギリスのロックバンドWishbone Ashの曲で私の大好きな「Throw Down The Sword」というのがありまして、そこから拝借したのです。
'70年代に活躍したイギリスのロックバンドWishbone Ashの曲で私の大好きな「Throw Down The Sword」というのがありまして、そこから拝借したのです。
肝心の音ですがメイプルの輪郭もマホの甘さも充分に出てジャズからヘヴィなロックまでオールマイティに使える音となっていると思います。
ケースはケース屋さんに特注で作ってもらった角形の物が付属します。
このギターの制作についてはご用命があればお見積もりいたします。
仕様の変更も可能です。
また今後のオリジナル制作についてのご質問/ご意見/ご要望がありましたらお気軽にメールして下さい



